マルコ福音書注解、上巻
増補改訂版第3刷(実質初版第10刷)、2007年7月
新教出版社、4000円
入手方法、増刷報告
増補改訂版第3刷 (=実質初版第10刷) が発行されました。 07年7月半ば。
当分の間、比較的容易に入手できるはずです。
なおこの本は、小さい本屋さんだと扱ってくれない可能性があります。
その場合は、配給元は「日キ販」である、とおっしゃって下さい。
どうしても駄目なら、新教出版社(03−3260−6148)に直接電話なさって下さい。
増補改訂版について
増補改訂版の後書きには記してありますが、古い版をお持ちの方はご存じないと思いますので、ここに繰り返しておきます。
結論を先に言うと、実質的には初版本の増刷ですので、古い版をお持ちの方も気になさらないで下さい。
それならなぜ増補改訂版と称したかというと、珍妙な事件があったからです。
つまり、この本は1979年までに6刷まで発行されました。ところが発行元の新教出版社が1981年に、突如として、第2版第2刷(?!)なるものを発行したのです。何も変っていない単なる増刷ですから、実際は、第1版第7刷でなければいけません。
しかし、それだけならお笑いですみますが、新教出版社はこの増刷本を発行したことを私に通知してきませんでした。
1年ぐらいたってから、たまたまある読者が本屋さんの棚でこれを見つけて、私に知らせて下さったので、はじめて私はその事実に気がつきました。
つまり、新教出版社は著者に黙って増刷を発行し、著者が気づかなければ印税も支払わずにすまそう、という汚い行為をやったのです。
その後、1996年になって、若い、信頼できる編集者が私の担当になりました。
それで、また増刷を出そうということになりました。 その段階で私も和解し、増刷に応じました。
しかし、すでに第2版第2刷なるものが出ているのに、今更もとにもどって第1版第8刷 (本当はそうですが) というわけにもいきません。 それで、仕方がないから、今回は「改訂増補版」と称して発行することにしました。
25個所ほど間違いを修正し、2個所にやや長めの書き加えを入れました。 「増補」
と称するには僅かですが。
しかし私はいまだに、では 「第2版第1刷」 はどうなったのだろう、と疑っています。
こっちが気がついた時はすでに 「第2版第2刷」 をお出しになっていたので、新教出版社は私に黙って第2版第1刷なるものも発行したのではないかと、ということです。
そんなものは出ていない、と新教出版社側は言い張っておいでですが (従って私はまだこの分の印税は受け取っていない)、出版社たるもの、第2版第1刷が存在しないのに、いきなり第2版第2刷をついうっかり発行するなどということが、あり得ましょうか。
これは十分に詐欺行為です。 しかし、もう和解したのだから、この件は私としては問わないことにしています。
ただ、一応、問題だけは明らかにしておかねばいけませんから、ここに記しておきます。
こういうことを書くと、新教出版社の信頼が失墜するかと思いますが ― 話がこれで終りなら、失墜してもかまいませんが ― 現在の編集者は信頼に値する人ですので、この件はもう終ったことにすることにしました。
というわけで、「増補改訂版」 と称して、多少の修正、増補を加えて発行したのです(1997年2月)。
それが現在第2刷 (2001年1月) になっている、ということです。
印刷技術に興味のある方に
改訂増補版第1刷が、活版印刷による最後の刷りでした。 さすがに版型もかなり痛んでいて、文字がややかすれてしまいました。残念。
同第2刷より、この本もついにオフセット印刷になりました。
誤記誤植訂正表
第1版第7刷 (=珍版第2版第2刷) までをお持ちの方で、ご希望の方には、送料として80円切手1枚を下記にお送り下されば、改訂増補版に際して修正、増補したものの表をお送りします。ただし、日々ひたすら
『訳と註』 の著作で追われておりますので、すぐにお応えできるとは限りません。かなり日数がかかることがあります。
連絡先 377−1411 応桑郵便局私書箱3 田川建三
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