新型コロナをめぐる状況に対して
 
         第1回 PCR検査に関する統計はやっぱりおかしい!


                                                       2020年6月12日
                                                                田川建三


  お詫びと訂正
  この原稿は上記の日付に公表したものですが、その中に、一つ誤りがあったので、お詫びして訂正します。
  東京都の発表する新型コロナに関するさまざまな統計表のうち、「PCR検査実施件数」 と、同じく 「実施人数」のグラフがあったのですが、それが掲載されていたのは5月末までで、6月に入ったら削除されました、とそこでは書いています(まだその部分も書き変えていません)。。
  しかし、この二つのうち 「検査実施件数」のグラフは、同じものがその後すぐに復活して (その後のデータも追加され、日々更新されて)、今ではまた見ることができるようになっています。ただ、東京都のこのサイトは、この時から二つの頁に分けられたので、このサイトの中で 「その他参考指標」 という頁を開けてみる必要があります。
  「実施人数」 のグラフの方は、5月末に削除されたまま、復活していません。多分このグラフは必要ないということになったのでしょう。
  以上、とり急ぎ、お詫びと訂正まで。


 は じ め に

   2月のうちから私は、この国ではPCR検査がちっとも本格的に実施されるようにならないので、非常に気になっていた。
     この問題は、それ自体がすでに、この国の非常におかしな政治 ・社会状況の一つの表れであるが、
     とりあえず、Covid-19 の脅威から我々が身を守るためにも、緊急を要する問題であるから、
     私も及ばずながら、PCR検査をできる限り、最大限に、多くの人々に実施せよ、
      というキャンペーンに参加しようと思っていたのですが、
     その時点では (3月、4月)、自分の本職の方で、非常に急ぎの仕事が入っていたのと、体調をかなり崩していたので、
      なかなか、この原稿に着手できませんでした。

  そうこうする上に、一方では、PCR検査を大規模に拡大せよ、という世論はぐんぐんと高まっていきましたし、
    マスコミもその方向で意見がまとまってきていますから (まあね、いくらなんでも、そう言わざるをえまい)、
    私のこの文章はすっかり時宜を逸してしまいましたが、
  他方では、政府 ・厚労省はまったくその方向では動かず、
    (おためごかしの言い訳は次々と並べるけれども、裏では相変らず、PCR検査があまり拡大しないように制約を加えている)、
  どのみち11月 (10月?) 以降にはじまるであろう第2波 (そういうものが来ないように祈っていますが!) に備えて、
    今のうちに、次の波までに、きちんと広く、大多数の住民に対してPCR検査がなされるように、
    そしてまずそのための体制をしっかりと整えさせるために、我々も世論喚起のために強くものを言い続けないといけないので、
    今頃になって恐縮ですが、私もこの原稿をここに公表することに致しました。

  しかしこの第1回 は、とりあえず気がついた目先の問題 を扱います。
     一つの小さな問題ですが、実は非常に重要なことだと思いますので。

      以下の文は5月11日から少しずつ書きはじめたものです。その後あちこち書き加えたり、修正したりしましたが。
      公表されているデータは、それぞれ、日がたつにつれて、公表者 (東京都) 自身によって頻繁に修正されるので、
      (それも、非常に重要な数字が黙って書き変えられたりする)、
      もしも私もそれにいちいち対応しながら、最新のデータに基づいて書かねばいけない、ということになると、
      ほとんど毎日、かなりな分量の書き直しをせまられることになり、いくら時間があっても足りないことになりますので、
      以下の各数字は、原則としてそれを書いた日に確かめた数字です。


   (すぐに 3. 発表されている感染者数は果して正確か? の項目に跳びたい人は、左のその文字をクリックしてください)


 第1回 日々発表される新規感染者数は、どこまで信用できるのか?

  まずはお考えになってみて下さい。
  日々発表される 「新規感染者数」 は、PCR検査の結果、その日その日に陽性が判明した人々の人数 (A) のはずです。
  他方、いわゆる 「陽性率」 の日々公表される数字は、PCR検査でその日に陽性であることが確認された人数 (B) を分子とし、
     その日に PCR検査が行なわれた人数 (C) を分母として、割算(B÷C) を行なったもののはずである。

  それなら、その日に 「陽性が判明した者」 とは、とりもなおさず 「新規感染者」 のことなので、A と B は同じ数字はずである!
  それなのに、もしも A と B の数字が大幅に異なっていたら、どうなさいます?

  それなら我々は、日々の感染者数さえ正確なところは知らされていない、ということになる。
     「正確な」 どころか、もしかすると、かなり大幅に事実と異なる数字を見せられている可能性が高いことになる。
  そして我々は、その不正確な数字だけを見せられていて、本当はわけのわからない不安な状態に置かれ、
     その不安をかかえたまま、Covid-19 が猛威を発揮している状況に向い合わないといけないことになる。 いや、現にそうなのだ。

  以下まず、今回の本論であるその問題に入る前に、予備的な作業として、二、三の数字を扱っておこう。


 1.検査実施数の怪

    厚労省の公式サイトに、都道府県別の 「PCR検査総実施件数」 なるものが掲載されている、

      くだらない註  このサイト、URL が細分化されすぎていて、必要なページがなかなか開けられない!、
       まず、厚労省そのものサイト案内を開けて (https://www.mhlw.go.jp/index.html ) 、
       その最初の行に 「新型コロナウイルス感染症について、こちらをご覧ください」 というのがあるから、そこをクリック、
       そうすると出て来る頁は、マスコミ等に発表するためのさまざまな公表資料の一覧であるのだが、
       その頁のずっと下の方に、 「PCR検査に関する参考資料」 という項目があり、
          更にその中に 「新型コロナウイルスの PCR検査総実施件数」 (都道府県別) という項目があるから、
          それをクリックすると、問題の 都道府県別総実施件数 の頁が出て来る。

         この頁の URL は、www.mhlw.go.jp/content/(8桁の数字)/(9桁の数字).pdf であるが、
           それをメモしておいて、翌日になってこの長い URL のサイトをを直接に開こうとしても、
           「アクセスが拒否されました」 ということになる。
           実は、この8桁と9桁の数字は、毎日その日にあわせて書き変えられるから、
           昨日の数字の URL のサイトは、もはや存在しないのだ (ないし公開されていない)。
         従って、翌日もまた、www.mhlw.go.jp/index.html からスタートしなおさないといけない。
         どうでもいいことだが、これは、インターネット・サイトを公表するのに、典型的に不親切な URL のつけ方である。
            いかにもお役所仕事。 まるで利用する者の身になって考えることのできない人たち!

   (以下しばらくは、5月11日に記す)
   さて、厚労省のこの表で、東京都については、1月15日~5月8日の間に実施された検査の合計数は 13014件 とされている。
     テレビその他多くのマスコミが利用して、その数字をそのまま信用し、右から左に流しているのは、この表の数字である。
   この数字を同じ表の大阪のその期間の数字と比べてみると、大阪の検査数は 17685件である。 大阪の方がずっと多い。
     大阪は人口が東京の6割強なのだから、人口比からすれば検査数は3倍も多いことになる。
   それで、テレビ局の番組、等々によっては、大阪府は東京よりずっと努力して、PCR 検査を多く実施しておいでである、
     などとほめあげて いらしゃる。

    しかし、そういうことをおっしゃりたければ、
     ちゃんと自分の眼で
きちんと大元の 統計表 (複数.) の数字を確かめた上でものを言っていただきたい
     この種のことについて正確な情報を提供するのがマスコミの義務なんだから。

   実は、東京都が公表 している Web サイトでは (https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)、
      同じ項目の数値が、5月8日の段階では、 43987件となっている。
   この違い、あまりに大きすぎないか? 同じはずの数字が 13014 になったり、43987 になったりされたんじゃ、どうにもならない。

   もちろんここは、厚労省発表の数字ではなく、東京都発表の数字を信用すべきである。
    それにしても、これだけ大差のある数字を平気で記されたんじゃ、
       「国」 が公表する数字がまるで信用されなくなるのも、無理はない。
    場合によって微妙に小さな相違が出て来るのは、この種の作業、やむをえないかもしれないが、ここはそういうことではない!
    この大きな数の違い違いは、そんな程度の問題ではないのだ!

   43987件 であれば、検査数の人口比率は、東京は 0.315% で、大阪は 0.201%であるから、比率としても東京の方が 1.5倍も多い。
   PCR の件数からすれば、大阪の方が東京よりずっとすぐれている、などと言い立てていた人たちは、東京都にお詫びなさったらいかが?
    何が違うか。後述のように、東京では民間の機関が PCR検査の作業に大幅に参加するようになった結果である。

    追記 当然ながら、大阪のこの数字も、毎日見る度に変化している。
       すなわち、上記の 17685件という数字は5月10日に大阪府のサイト https://covid19-osaka.info/で私が確かめたものだが、
       本日 (5月24日)確かめ直してみたら、同じ期間 (~5月8日) の合計数が 20240件に書き変えられている。
          なお、大阪府は1月の数字は公表していない (調べていない?) ので、これは 2月1日~5月8日の数字である。
          つまり、毎日毎日その日の検査数を加えていくだけでなく、
          実は、しばしば過去にさかのぼって、いろいろな日の数字を修正し、増やしていっているのである。
          ということは、それぞれの日の検査数が、後になって、他にもまだあった、と気がつき、さみだれ的に (時に大量に) 加えられ、
          その結果、しばらくたつと、同じ日の検査数がどんどんと膨張していっているのである。
       この状態では、この統計の数字が変化せずに落ち着くのは、いつになるか、見当もつかないが、
          まあ、2週間ぐらいたてば、ほぼ落ち着くけれども。

       東京都の表もその点は同じ。本日(5月24日) に見てみたら、同じ期間の数字が 45000件に増えた。
         (四捨五入したわけではなく、たまたま、きりのいい数字になっただけ)。
          1月15日~5月8日になされた検査の総数が、5月8日から5月24日の間に、1013件も増えたのである。

       確かに言えることは、この種の数字は、細かいところまでは信用することはできない、ということ。
       信用するのであれば、2~3割程度の誤差はありますよ、という条件つきでないといけない。
       いや、時によっては、もっと大幅に数字が変ることもある。
          もっとも、増えることはあっても、減ることはないようだが。減らしようもないだろう。

       これはもちろん東京、大阪に限らず、他の府県も同じことである。
       そして、この現象は、当然と言えば、まことに当然のことである。
          その日の検査数の全体が、すぐその日のうちにぴったり正確につかめるわけがないからだ。
          各検査機関からの報告がかなりな日数の後に届く、とか、その他いろいろ事情があるだろう。。

  もどって上記の、同じ日に公表されている統計表で、同じ東京都の検査実施総数が、
    国の発表数字と東京都の発表数字で、どうしてこれだけ大きな違いが生じたのか (13014 対 43987)。
    国の発表数字も、出所は東京都が公表した数字であるはずなのに。
    これは、上記とはまったく別の、もう一つ異なる問題である。

  実は東京都は、「検査実施」 と 「検査実施」 を別々に表にして公表しておいでだった。
        それも、二つの表がわかり易いようにすぐ隣に並んでいる。
    これなら、見まちがいする人はいないだろうに、と思えるのだが、それを敢えて見間違えて書き写したのが 「国」 の表なのだ。
    すなわち、東京都の表では、検査の「実施件数」は上記のとおり 43987件だが、「検査人数」 は 13124人なのである。
    つまり 厚労省は 「検査人数」 と 「検査件数」 を間違えて、「検査人数」 を 「検査件数」 とみなして書き写してしまったのだ! お粗末。

      なお、残念ががら、この二つの表は6月に入ってから、なぜか削除されてしまった! 残念。 



 2.「検査件数」 と 「検査人数」 の違い

  
もう一つ別の問題。
  
東京都のこの表を見ると、検査数と検査数が極端に大きく違うことがわかる。 これ、不思議ではなかろうか。

     確かに、検査対象の人物は1回しか検査を受けないというわけではない。
     一番多いのは、最初の検査で陽性になって入院し、その後治って退院する時に、
        念のため2回
、陰性であることを確かめる検査を受ける (最近では1回になったり、0回の人もいるが)。
     つまり、一人で合計 3回検査を受けている。
       しかしこれを、「検査人数3人」 と数えるわけにはいかないので、まとめて 「1人」 と数えることになる。

     あるいは、最初の検査の時に、結果が曖昧だと、もう一度検査を受け直す、とか、その他いろいろあるだろう。
     そしてそのことも、東京都のサイトでは、グラフの下に注をつけて、ちゃんと 説明してある
        同一の対象者について複数の検体を検査する場合あり」 、と。

   しかしそれらのことを考慮しても、検査数合計が検査数合計の3倍半にもなる、などということは考えられない!
   このことには、他にもっと根本的な理由 があるはずである。

     実は東京都の「検査」 の表は、「保健所」及び保健所と連携している 「健康安全研究センター」 の二つに限定し、
       (どちらも、実質的には、厚労省の支配下にあり、東京都が直接管轄しているわけではない)、
       この二つの機関が検査した人数だけを合計して掲載しているのである。
          我々はこの二つを 保健所系機関 と呼ぶことにする。

     それに対し、同じ東京都の、それと並べられた 「検査」 の表では、上記二つの保健所系の機関だけでなく、
        厚労省の直接管轄下にあるわけではない、主として民間のいくつもの機関がやった PCR検査の検査件数も数えている。
        すなわち、 「医療機関」 「民間検査会社」 「大学等」 他 である。
           我々はこれを 非保健所系機関 と呼ぶことにする。

     これなら、「検査数」 の方が 「検査数」 よりもはるかに多くて当然なのである。

        本当なら、同じ検査対象について、まず 「検査件数」 の全体を数え、
        次に、その同じ検査対象から、上記のように、一人で複数回検査を受けた回数を差し引けば、
        それが 「検査人数」 になるはずである。

     ところが この二つの表のうち 「検査数」 は、そもそも、限られた二つの検査機関、すなわち保健所系が扱った人数だけを数えて、
       他の検査機関 (非常に数が多い) が行なう検査の対象となった非常に大勢の人々の存在を、まったく無視 したのである!

     これ、いくらなんでも、ひどい統計ですね。
       我々が知りたいのは、検査機関がどこであろうと、東京都全体で PCR 検査が何件実施され、
          それが人数にすると何人で、そしてその 「何人」 のうちで陽性になった人 (=感染者)は何人なのか、という統計なのだ!
       そしてその場合は当然、検査人数も陽性者人数も、保健所系と非保健所系の両方の検査の合計数を記すべきである。

     こんなこと、当り前ではないか!
        そしてそれなら、上で説明したように、「検査人数」 は 「検査件数」 よりもほんの少しだけ少ない人数になるはずなのである。

     それを何故、「検査」 については保健所系だけに数を限ったのか、その理由がまったく理解できない。
        その結果、「検査人数」 が 「検査件数」 の三分の一にも満たない、などという珍妙な 「統計」 になってしまったのだ。

       そして、国が全国の統計を作る時には、このうち、保健所系の 「検査人数」 だけを採用しているのである! 何たることぞ。


     横道 その1
 東京都の表の長所

       しかしながら東京都が 「検査件数」 の表を保健所系と非保健所系の両方を合わせる仕方で作っているのは、評価すべきである。
          それも、棒グラフで、保健所系と非保健所系の色の濃さを塗り分けて、一目で両者それぞれの件数がわかり、
         かつ、両者の合計もすぐにわかるグラフになっている。
          そして、棒グラフのそれぞれの個所をクリックすれば、数字で、その日のそれぞれの数も表記される。
       おかげで我々も、上記のような事実を発見できたのだ。

       私の知る限り、このように保健所系と非保健所系の件数をきちんと区別して表示しているのは、東京都だけである。
          他の道府県は、こういう区別をせずに、何の註も説明もなしに、単に棒グラフを「検査実施件数」等として表示しているだけである。。

       そうすると困るのは、他府県の場合 (含大阪府)、果してどこまで非保健所系の検査数、感染者発生数などを、
          正確にとらえて公表しているのか、「正確に」 どころか、何ほどかでもきちんととらえているのか、
         ということも、わからないのである。
       もちろん、非保健所系の情報もきっちりと集めておいでであることを願うが、何の説明もないので、何もわからない。

              大阪府は、陽性率を規制解除の目安の一つとしてあげているけれども、私が探した限りでは、
             大阪府自身は陽性率の表を作成、公表してはいないようである。
             検査数や陽性者数をもとにして、インターネット上に勝手に大阪府の陽性率を計算して公表している人もおいでだが、
             その場合、分子には速報値として公表された日々の新規感染者数 (の合計) を用いており
                (本当は、その日の感染確認者数は、日を追うごとにどんどんと変更されていっているはずなのに)
             分母には 「検査実施件数」 を用いて、「検査人数」を用いていないから、それでは確かな 「陽性率」 とは言えない。
             そもそも大阪府自身が、「検査実施人数」 は公表しておらず、「検査実施件数」 しか公表していない。
             そして、公表しているいくつかの表も、たとえば 「実施件数」 がどの範囲の検査機関の報告を合計しているのか、
                等々について、何も註をつけていないので、どこまで正確に全体を数えているのか、我々にはわからないのだ。
             その他のグラフについても、同様。

          他の道府県の場合もほぼ同じ。
          群馬県は、どの表にも 「速報値として公開するものであり、後日確定データとして修正される場合あり」 と註をつけてくれていて、
             その点は、他の都道府県よりもぐんとましだが (この一言で、この表の実態が人々に明らかに伝わる)、
          しかし、我々が知りたいのは、本当は、速報値ではなく、最終的に確定した数字なのだ、ということをお忘れなく。

       もどって、多くの都道府県が、少なくとも最初の時期は(4月のどこかまで)、保健所系機関が実施した検査の数字だけを公表していた、
         ということは、かなり確かだろうと推定される。
         検査総数も感染者数も非常に少ないので、保健所から伝えてきた数値だけを機械的にそのまま発表しているだけなのだろう。

       しかし、数字的にも重要なのは、保健所系の諸機関が実施した検査なのだ。 何故か。
       PCR検査は、4月半ば頃から急速に、保健所系よりも非保健所系の機関での実施数が多くなってきているからである。
          東京都発表の表を見れば、最近は、非保健所系の検査数は方が保健所系の検査数よりも1桁か、それ以上多い、
         ということは、一目でわかる (保健所系の検査は数十件、非保健所系は数百件、しばしば千件を超えていた。

       つまり、検査数、新規感染者数の数値の信用性は、
         どの程度多く、きっちりと、非保健所系の検査の数値を計算に組み入れているか、にかかっているのだ!
       だから、両者の数値がはっきりわかるように区別して表示していた東京都のグラフは、貴重なのである。

         (しかし残念ながら、東京都のサイトは、何故か、6月に入ってから、「検査実施件数」 と 「検査実施人数」 の二つの表は、
         削除され、 表示されなくなってしまった。 特に 「検査実施件数」 のグラフの作り方は独得で、すぐれていたのに。残念!)

       このように元の表が消えてしまったので、たまたま私が手元に書き写してあった数字を紹介します。5月18日~21日 の検査件数

                     5月18日(月)   19日    20日      21日
            保健所系      85件      83件    100件     111件
            非保健所系   1453件     1250件   1123件    1088件
             合計       1538件     1333件   1223件   1199件

      
        註 18日が目立って多いのは、土日に休んだ分が月曜日に集中しているからである。 

       ここで大きな疑問
         さて、そうだとすると、我々としては大きな疑問を持たざるをえない。
         我々にとっては、検査件数 (ないし検査人数) も基本的に重要であるが、
         それ以上に重要なのは、もちろん、日々の 「感染者数」(陽性数) である。
          検査件数についての既発表の統計が上記のようにあまり信用し難いものであるのなら (残念ながらそれは鮮明な事実である)、
        その調査の結果として公表されている 「陽性数」 (新規感染者数)は、
         いったい、保健所系の数字だけ をその日の 「感染者数」 として公表しているのか?
         それとも、保健所系と非保健所系の両者の検査結果の合計を数えているのか?


     横道 その2  また数字を訂正なさった!

       その前に、これは本当の横道だが、これじゃどうもね (この項目、5月13日に記す)。

       この原稿を書いている途中で、東京都は大きな数字の修正を二つ公表した。
         第一に、厚労省が東京都の死亡者数 (合計)を自分で勝手に計算して、「171人」 とすべきを 「19人」 と書いてしまった。
           そして今頃になってそれに気づき、慌てて、東京都の発表している表に基づき、「171人」 と修正した、というのである。
           (現在では、その後更に死者が増えたので、東京都の表では 「189人」 となっている。
         第二に、こちらは東京都の側の間違いで、検査人数の中で合計 111人も報告漏れがあった、と。
            そのうち、35人は同じデータを二重に数え、逆に 76人は陽性なのに、陽性のデータとして数えられていなかった、と。
           それで慌てて、その人数を増減させて、正しい数字に書き直した、と。

         第一の方は、厚労省がおとなしく東京都がデータを公表するのを待てばすんだことで
           多分、保健所から厚労省に上げてきたデータだけを見て、
           東京都が非保健所系の数字を加えていることに気がつかなかったのだろう。
         第二の方は、単なる不注意の間違い。

        しかし前者については言い訳はきかないが、後者については、すでにマスコミが嘲笑半分に指摘しているように、
         今だに、各地方自治体が厚労省に提出する数値の報告を、厚労省の決めた書式に従って、
         なんと、手書きで数字を書き込み、それを、1枚ずつファクスで厚労省に送るのだそうな。
          アベノマスクに次ぐ時代遅れの醜態だが、それにしてもひどすぎないか。
         こういう事務をやっていたら、不注意の間違いが多発するのもやむをえまい。
         近いうちに、東京都の側から、全部 I T 化なさるそうだが。 しかし厚労省が果してそれにつきあうかどうですか。

       その他もろもろの結果として、各地方自治体は厚労省に報告する数値の計算にいちいち大量に無駄な時間を取られるから、
          ただでさえ新型コロナ騒ぎで忙しいさなかに、こんなことでまでややこしく時間を取られたんじゃ、
         細かい不注意間違いが生じても仕方があるまい。 しかし、ねえ。

     (5月26日に追記) もう上記のような間違いは起こらないだろうと思っていたら、三日ほど前に、
       今度は、 40人も記入漏れがあったのだそうな。これももう修正されたそうだが、
       一度ならともかく、こうなると、「二度あることは三度ある」、厚労省発表だけでなく、東京都発表の数字も、信用できなくなる。

       しかし、以上からおわかりのように、また以下の多くの例によってますます、東京都は毎日かなりの個所の数字を黙って書き変えている。
          しかもそのことについてはまったく黙しているくせに、上記の三点だけをわざわざ公表したのは、いったいどういうおつもりなんだろう?

     
  3.発表されている感染者数は果して正確か?
   ここから先が、この原稿の本論です。 以上は、この項目 を扱うための準備作業にすぎません。

   以下で扱う問題は、目先の事柄に細かくこだわっていて、いささか重箱の隅をつつく作業のように思われるかもしれないが、
      本当は、我々の現状を知るために、非常に重要な問題なのである。
      日々の感染者数 を正確に把握できなければ、我々は当面の課題に正確に向き合うことさえもできなくなる。

   現在日々公表されている、感染者数の統計の数字は、果してどこまで信用できるのだろうか。
      この数字、恐ろしく杜撰である。杜撰というか、慌てて発表しすぎて正確さを失った、と言うべきか。
      しかしこの種の数字は、広く社会全体に対して公表する数字であるから、
        少しでも間違えると、世の中の非常に多くの人々の現実認識を過つことになる。

  3 - a 検査実施数と 「新規感染者数」 との極端なアンバランス
   話の流れを続けよう。

   上記のように、東京都の感染状況と、PCR 検査の状況を日々正確に知るためには、
      非保健所系 による検査の数値ものせている 「検査実施件数」 の表が (残念ながら削除されてしまったが)、
      実際に行なわれている検査の実態を正確に知るために、非常に重要 である。

   とけれども、5月後半頃から私は、おや、この表、ちょっとおかしいのではないか? と思いはじめたのである。
      いや、この表自体がおかしいのではない。
      この表と比べてみると、同じ東京都発表の他のいくつかの表の数字の理解がつかないのである。
      もっと正直に言うと、この表と比べると、他の表 (特に、日々の新規感染者数) の数字が どうもおかしい、と。
      どうやら、感染者数を 実際よりもかなり低めに 表示しているのではなかろうか (たまには逆に、やや高めに)、と。

    つまり、その日に実施された検査数と比べてその日の感染者数がこんなに少ないことはありえない、と思える場合が、時々見つかるのだ!
      たとえば、5月12日の例。
       検査実施件数のグラフによれば、この日の実施件数は 138+1533 = 1671人である (その後書き変えられて、1758人に増えた)。
       それに対し、新規感染者数 は、僅か 10人である。
       しかし 1671人もの人を検査しておいて、陽性反応が出たのは僅か 10人しかいなかった、などということが、この時期に 考えられるだろうか?
       確かに、5月16、17日頃から新規感染者数は急速に減りはじめている。
       しかし、5月12日 (翌13日に陽性数を公表) の段階では、まだまだ新規感染者の数はかなり多かった。
       それなのに、その前後の幾日かの陽性数と比べても、この日に限りたった 10人しかいなかったなどということが考えられるだろうか。

     書くとこのように長くなるが、二つのグラフを見比べたら、この程度のことは誰でもすぐにぴんとくるだろう。

    ここで注意すべきは、
       彼らの検査は、無作為に不特定多数 の者を抽出して、その人々をすべて検査しました、というものではない
      もしもそうであれば、場合によっては、1671人検査して、陽性が 10人しかいなかった、ということもないとは言えまい。
      しかし保健所系の検査の場合は、感染がかなり疑わしい者さえ検査されず、非常に可能性の高い場合にのみ限定して検査しているのだ。
      他方、個々の医療機関等が自主的にやっている検査も、感染がかなり疑わしい患者(a) に加えて、
        他の病気で来院する初診の患者とか(b)、そういった人たちも検査している。
         (b) だけなら、新型コロナの感染者である可能性はある程度低いだろうが、(a) の場合は感染者である可能性が非常に高い。
        つまり a + b であれば、無作為抽出の場合よりは、感染率はかなり高くなるはずである。
      つまり、両者の検査を合計して、検査数 1671人に対して、陽性がたった 10人 などというのは、
        5月12日当時の数字としては、とてもありえない、極端に少なすぎる数字なのである。

    どうしてこうい現象が生じたのか。
       いや、現象が生じたのではなく、起こった現象とは無関係に、統計の数字だけがこのように奇妙になったのか。

    見やすいように、このことを、5月12日~14日の場合だけだが、表にしてお目にかけよう。

      保健所系非保健所系 PCR 検査数、及び検体採取の翌日に判明した感染者人数

      5月12日  保健所系施設による検査数 138、 非保健所系施設検査数 1533、  翌日確認陽性数(=感染者数) 10 (27)
      5月13日       同             149、    同            1376、     同                   30 (10)
      5月14日       同             272、    同            1123、     同                   9 (30)

       註1 感染者人数は 「新規感染者に関する報告件数の推移」の表 (=以前は 「新規感染者数」と名づけられていた) による。
           この時期なら、前日に採取された検体の検査結果が判明するのは、通常は翌日である。
             (6月に入ってからは、その日のうちに検査結果が判明する場合も、徐々に増えてきたみたいだが)、
           従って、検査数に対応する陽性数としては、翌日に公表された数字 を見るのが正しいだろう。

       註2 この数字は、5月21日に掲載されていた数字である。 しかし、非保健所系検査数は、その後もどんどんと修正され、数が増えていく。、
           5月23日になると、5月12日の数字は1533人から 1606人に増え、更に5月28日になると、 1620人に増えている。          
           同じく、5月13日については、1492人に、5月14日については 1383人に書き変えられている。
           つまり、非保健所系に関する情報は、東京都の担当者に伝わるまでに、しばしばかなりな日数がかかっている、ということだ。
             (多分、直接に東京都の担当者に報告されるわけではなく、いったん保健所を経由して、それからやっと都の担当者にとどく?)
           それも、その情報はさみだれ的に、ぼつぼつと毎日少しずつ届いてくるのだろう。(この註は5月28日に記す)

       註3 (6月10日に記す) 「感染者人数」 の欄 (行末) の括弧内 の数字は、6月上旬になってから修正記入 されたものである。
           すなわち、たとえば 5月12日の欄は、5月21日にはまだ 「10」 と記されていたが、それが6月上旬に 「27」 に修正された。
           とすると、5月21日の段階では、まだ、27-10 = 17人の感染結果が見落とされていた、ということになる。
              もしもそうだとすると、この表は、そもそもひどく信用ならない、ということになってしまう。
              しかしこの表は、どうやら、単純にそうだということでもなさそうである。
           5月12日の分は 10人から 27人に増えたが、次の5月13日の分は逆に、30人が 10人に減らされている。
           ということはおそらく、後になって、5月13日の欄に記入されていた30人のうち 17人は、
             実は5月13日に陽性と判明したわけではなく、すでに5月12日のうちに陽性と判明していた、という事実に後になって気がついて、
              その17人を 5月12日の欄に移動したのである。
             他方、5月13日の残り3人 (30 - 10 - 17) は、本当は5月13日でなく、14日に判明したものだと、6月になって気がついたから、
              5月14日の方にまわした、ということだろ。

           そうすると、5月14日の括弧内 の 30人の残り 18人については (30-9-3)、どう考えるか。
             多分、最初の段階ではこの18人は、5月15日以降の新規感染者の中に数えられていたのだが、
             実はこの人たちの陽性が判明したのは5月14日だった、ということに6月に入ってから気がついて、
               5月14日の項目に移動した、ということか。のか、
             あるいはむしろ、5月末か6月になって、新規陽性者として報告されていなかったかなりな人数の新規感染者の分が
               実際には病院ではすでにわかっていたのだろうが、どこかの段階で報告が引っかかって停滞しており、
               それが、ようやく5月末か6月はじめに見つかって、
               この段階になって慌てて、5月15日の数字にその人数を加え、上記と合計して、「30人」 と書き変えた、といったところか。
             その他いろいろな可能性。

          しかしこのように大幅な書き変えが頻繁になされると、どうしても、この表の数字の信憑性がゆらいでくる。
             しかしそれでも、間違いに気がついたら後日になってでも修正する方が、黙って放置するよりは、だいぶましだが。

           結論  いずれにせよ、速報値で発表された数字が、10日もたつと、これだけ大幅に変更されるのだから、
             速報値はまるで信用できない、ということだけは、極めて確かである。
             つまりこの数字、6月上旬に加えられた大幅な修正を見れば、十分に納得のいく数字なのだが、
             最初に、速報値として公表された感染者数は、まるで滅茶苦茶だ、ということなのだ。
       
           
  3 - b 陽性率算出のための陽性者数

   というわけで私はずっと、検査件数と感染者数のアンバランスが気になっていたのだが、
      東京都が公式サイトで並べられているいくつかの表を眺めているうちに、他にもう一つの、もっと大きな問題に気がついた。
      日々の新規感染者数の表は、東京都の同じサイトの中に、他にもう一つ存在するのだ! それなら、そっちと比べてみよう!
   つまり、しばらく前から(多分5月7日?から)、東京都は 「陽性率」 の表を公表するようになっていた。

   陽性率とはすなわち、日々の陽性判明者数 (=新規感染者数) を検査人数 (ないし検査件数) で割ったものである。

        東京都は、もう少し緻密に、陽性率 = 陽性数÷(陽性数+陰性数) という計算式を用いている。
          「陽性数+陰性数」 ならば検査総数と同じではないか、とお思いになる人もおいでだろうが、そうではない。
          検査には必ず、判定不明の例が少数ながら生じる。その数を差し引く必要がある。
          加えて、感染者が必要日数を経て退院する時に、これまでは、2度 PCR検査をして、陰性であるかどうかを確かめていた。

              この数字は、陽性率を計算する分母の 「検査総数」 に加えるわけにはいかない。
          その他いろいろ、陽性率を割り出す分母に用いるには、検査総数からいくつかの数を差し引かないといけない
          等々、いろいろあるから、東京都は細かく考慮して、「陽性数+陰性数」 という言い方にしたのだろう。
          ただしこれは、上述の理由で、正しくは「陽性数、陰性数」ではなく、「陽性者数」「陰性者数」と呼ぶ方がいい。

          従ってまた、分子になる 「陽性数」、また「陰性数」 を数える場合にも、退院者検査で出た結果は、この計算から除かないといけない。
           しかしこれらの差し引く数は、全体から見ればごく僅かであるから、気にするほどの数値ではない。
         
          つまり、もしも正確に数えたなら、この 「陽性数+陰性数」 は上記の 「検査」 と一致するべきである。
             しかし残念ながら、公表されている 「検査人数」これとはまったく一致しない (はるかに少ない)。
          何故か。上記のように、公表されている 「検査人数」 は、保健所系で検査された人数 しか 数えていないからだ。
             つまりこちらは、「陽性率」 を計算するのに用いるわけにはいかないのである。

       もう一つ註  陽性率とは何か こちらは非常に重要。
         日本の現状で (PCR検査の件数が極端に少なすぎる)、「陽性率」 うんぬんなどと言っても、
          それは統計としては何の役にも立たない絵に描いた餅である。

          「陽性率」 と は、人口総数の中で感染者がどのくらいの割合で存在するか を推定するためのものである。
          それを、日本では検査数があまりに極端に少なすぎる、という事実には目をつぶっておいて、
            (これは世界的に有名になっている事実である)、
         この、あまりに極端に少なすぎる検査数を分母として、その極少の検査数の中で陽性と判明したものを分子に置いて割り算をやっても、
            それでは、統計学的には、幼稚で無意味な、統計の下手な真似事、という以上にはならない。
            ある程度検査数を多くしない限り、日本全体の実態を推定する手掛りにはならないのだ。

         もしも一日に1万人検査したとしても (今の日本では、その数にさえ到達していない。 一番多かった時でも、約 8000人)、
            それでは、一ヶ月にやっと 30万人である。、
         日本の人口は、現在ほとんど 1億四千万人である! その中で、こんな僅かな数を調べたとて、
            そこから、日本全体の感染者数の合計を正確に推定することなぞ、出来るわけがない!

             (6月11日に記す)
             厚労省発表の数字では、2月18日~6月9日の検査総数は 540,823 人である。 3.7ヶ月で、やっと 54万人。
             月平均 14. 6 万人である。 これは、人口比で計算すれば、諸外国と比べて、桁違いに少ない数字である。 周知のように。

          だから、現状の日本で、「陽性率」 をうんぬんするのは、まったく無理なのだ。
         「陽性率」をうんぬんする前に、まず、PCR検査の検査数を少なくとも今の 10倍ぐらいに上げなさいな。
          いや、10倍ぐらいでも、「陽性率」うんぬんを口にするのは、ほぼ無理である。せめて 16~20倍!
         この件は、いずれこの原稿の第2回でとりあげます。

         Covid-19 というヴィールスは、今まで存在していなかった新しいヴィールスである。
           まったく未知の相手なのだ。
           ある程度までは、新型ではあれ、「コロナ」ヴィールスであるのだから、インフルエンザ・ヴィールスとの類推はきくだろうが、
           それ以上には出ない。
         まったく未知の相手の実態を知るには、何よりもまず、人口全体の中の実際の感染者数を正確に推定できる程度に、
           多くの数の検査をしてみないといけないのだ。
         それを、ほんの僅かな人数だけ検査しておいて、そこから全体の感染者数を想定できると思うのは、いくら何でも無理である。

         いろいろな学者、評論家が想像なさって、現実に存在する感染者数は、今までの僅かな数の PCR検査で判明した感染者数の
            10倍ぐらいだろうとか、いや 100倍ぐらいだろうとか、言われてきた。
         それが、ようやく最近になって、一般人の抗体検査を行なうことによって、少しずつ、実際の感染者数が推定できるようになってきが、
            その抗体検査にしたところで、たとえばアメリカで実施された抗体検査の人数と比べたら、
            日本で行なわれたのは、今までのところ、子どもの真似事程度の人数にすぎないのだ!

    しかし、以上のこととはまったく別に、東京都が発表した 「陽性率」 の表は、現状では、それなりに役に立つ
       本来の目的とはまったく別の、彼らが意図しなかった傑作なところで、意外にも役に立つのである。

    PCR 検査によって 「陽性」 と判明した者とは、言葉を換えて言えば、「新規感染者」 である (陽性者 = 新規感染者)。
    これまでマスコミに対して公表された、またそれを受けてマスコミが世間に公表している日々の 「新規感染者数」 とは、
    とりもなおさず、その日に判明した PCR検査陽性者の数に他ならない。
    従って本当なら 両者はまったく同一のものであるはず なので、それを、時に 「陽性者」 と呼び、時に 「新規感染者」 と呼んでいるにすぎない。

    とすれば、もしも日々発表される 「新規感染者数」 の数値が疑わしかったら、
      別の経路で公表された (元は同一のものであるはずなのだが) 「その日毎に判明した陽性者数」 の表で確かめ直すことができるはずである。
    つまり、「陽性率」 の表にのっている 「陽性数」である。 そして私もこれを確かめてみたら、すぐに疑問が解けた


  3 - c 「新規感染者数」 と 「新規陽性者数」 の間の大きな違い?

    以下は、「新規感染者数」 の表 (東京都の発表では、最近、「新規患者に関する報道件数の推移」 という表題に変った、以下) と、
        同じく東京都発表の 「陽性率」(「PCR 検査の陽性率」 という表題がついている、以下)の表における「陽性数」 との比較である。

   読者は、甲と乙はまったく同じ数であるはずだから、そんなものを比較しても無駄だ、とお思いになるだろう。
       しかし実際に「甲」 と 「乙」 の感染者数を比べてごらんになると、あっと驚かれるだろう。
       ほぼすべての項目で、大幅に異なるのである!

      例示として、5月7日~5月15日の数字を並べる。 もう一度言う、本当は両者まったく同じ数のはずであるところが ……

                           5月7日  8日   9日  10日   11日   12日  13日  14日   15日    合計
       新規感染者数の表 ()      23人  39人  36人  22人   15人  28人  10人  30人    9人    212人
       陽性率の表の「陽性者」 ()   79人  51人  39人  18人   49人  36人  37人  33人  20人   353人
          乙の数字は、私が5月20日に確かめたもの。これより 2、3日前だったら、もう少し違う数字だったかもしれない。
     
    両者、すごい数値の違いでしょう! これがまったく同一であるはずの事柄に関して出された数値だ、というのだから、
        それも、公的に公表された数字なのだから、あきれる以外にない。

    の数字は、日々発表される速報値である。マスコミ等に発表され、皆さんも日々お目にかかっておいでの数字である。
       行政当局者もマスコミも (政府も !?) この表に従って、いろいろものをおっしゃっている。
    それに対し の数字は、おそらく、東京都がより正確に 「陽性率」 を計算するために、もう一度、新規感染者を数え直した数字であろうか。
       なお、そのためでもあろうか、の数字は、たいていは、2、3日たってからでないと公表されない。

    つまり、ほんの2、3日後にちょっと数え直したぐらいでも、これだけ大きな差が生じるのだから、
      日々発表される 「新規感染者数」) なるものの数字が いかに出鱈目なもの であるかがわかる。
    しかもの数字は、2、3日後どころか、その後もかなり長い期間、しばしば更新され、その度に大きな数字になっていく!
      その主たる原因は、おそらく、非保健所系のあちらこちらの機関から、さみだれ的に少しずつ報告があがってくるからだだろう。
      毎日毎日大変な医療業務にたずさわっておられる病院ほかの医療機関の方々としては、検査した当日や検査の結果が出た当日に、
       すぐに検査数、陽性者数を保健所 (ないし東京都) に報告する時間の余裕など、そう簡単に持てるものではないないだろう。
      だから、おそらく、かなりな日数分を溜め込んで、それを時々まとめて報告する、ということか。

    あるいは、それとは全然違う理由もいろいろあるのかもしれない。
      ともかく、いずれにせよ、一日の正確な検査数、そして正確な陽性者数が全部正確にわかるまでには、
      かなり多くの日数を必要とする、ということだ。
    しかし、この問題、それほど単純ではない (後述)。

    もどって、上記の我々の二つの数値の比較であるが、たとえば、5月15日
    毎日、一所懸命努力しておいでの小池都知事には申し訳ないが (ご苦労様に存じます)、
      コロナ禍がはじまって以来ずっと、記者会見の場で難しい表情を続けておいでになった彼女が、
         はじめて、記者発表の場で、 「ようやく新規感染者の数が一桁になりました」 小躍りするくらいの大喜びようだった、あの日である。
      この日の新規感染者数 は、「9人」 です、と公表されたからだ。
      しかし実は、そのすぐ2日後に公表された 「陽性率」 の表の 5月15日の欄では、「20人」と書き変えられていた のだ!
      残念ながら、この時期に 「9人」 と 「20人」 では、極度に大きな違いである。

    ただし、「陽性率」 の表 () でも、そのすぐ後から、「陽性者」数 が 10人を切る日が出て来る (次の表)。
    そして、その頃から、甲の数の方が乙の数よりも多い日が時々出て来る。
      すなわち 甲 は 16日が 14人 (乙は 9人)、 17日が 5人(乙は 6人)、 21日が 11人 (乙は 7人)。
    まあ、17日は 5人対 6人だから、気にするほどの差ではないが、16日と 21日は、甲の方が目立って多い。

             5月15日  16日  17日  18日  19日  20日  21日   合計
      甲の表      9人    14人   5人   10人   5人    5人  11人    59人
      乙の表     20人     9人   6人   16人  15人   12人    7人     85人

    しかしこの場合でも、幾日か並べて合計すると、やっぱり 乙 の方がかなり多いことがわかる (上の表の「合計」)。
       東京都はこういう場合は直近の7日間の合計をとるから (土日と平日がきちんと入るようにする配慮だが)、
      我々も7日分を合計すると、上記のように、59 対 85と、かなり大きな差が開いていることがわかる。

    結論 東京都が毎日公表なさるその日の 「新規感染者数」 は、あくまでも速報値にすぎない。
       そのことは、この数字が、ほとんどの場合、その日の午後4時前には公表されている、という事実からしても、明白である。
      「保健所+健康安全研究センター」 も、非保健所系の医療機関、検査機関等々も、午後4時に店じまいするわけではない
      4時以降、少なくとも午後5時まで、現在の状況では多くの機関でおそらく午後6時ないしそれ以後まで、働いていらっしゃるだろう。

    つまり、マスコミに速報値が公表された後でも、まだその日のうちに確認される新規感染者の数は増え続けているのだ。
      加えて、午後4時までに確認された感染者の数も、すべてその日のうちに東京都の担当者の手にわたる、とは限るまい。
    あるいは、その日に伝えられなかった分がすぐ翌日に伝えられるとも限らず、
      忙しければ (これらの機関の人たちは皆さんひどく忙しいはずである)、数日分まとめて報告が送られてくることもあろう。 その他いろいろ。

    そして、このように遅れて伝えられる分も、陽性が確認された日付は、情報が送られる日ではなく、検査結果が確認された日付であるはずだ。
    その結果、「陽性率」表の新規陽性者の数字は、その当日以後も、少しずつ修正されて増えつづけていき、
       1、2週間後ぐらいにようやく安定するのである。
    だから、その日に公表される 「新規感染者」 の数値 (つまり速報値)よりも
      「陽性率」 の表の同じ日の 「陽性者」 の数値の方がずっと大きい、というのは、それで当り前なのだ!

    たとえば5月15日の数字であれば、5月15日午後4時までに伝えられたのはごく一部にすぎず (これがマスコミ発表の速報値、9人)、
      その後徐々に、5月15日の検査結果として伝えられる新規感染者の数は増えていき、
      1週間後ぐらいになって、ついに20人にまで達した、ということだ。
    このことは、甲の表と乙の表の比較からして、あまりに鮮明な事実である。
    しかし今のところ、マスコミ等でこのことをはっきりと認識している人は、私の知る限り、まったく存在しないし、
    マスコミは相変らず (東京都自身も、それを受けて政府の当局者は当然)、速報値だけが感染者数の確定値だと思い込んでおいでである。

    これは重大な過ちである。事実の認識を、露骨に間違っておいでなのだ。
    つまり本当は、PCR検査で確認された感染者数は、速報値よりもかなり多い のである!
       それなのに、行政当局者もマスコミも、相変らず、速報値の数字が感染者の実数だと思い込み
       また世の中の人々にもそのように思い込ませようとしているのである。

    もちろん、感染者数について、この件よりももっとずっと重要なのは、そもそも日本では、PCR 検査数が極端に少なすぎる、という事実なのだが、
    そのことは別の水準の問題であるから、別の機会に扱うとして、それとあわせて、上記の事実もしっかりと認識しておかねばならない。

    結論実際に実施された PCR検査によって判明した感染者数もまた、これまで 「新規感染者数」 として毎日公表されてきた数字よりも、
        ずっと多いのだ。 少なくとも 1.7倍~1.8倍ぐらい (上の5月7日~15日の表参照)。

    提案
      1. 現在 「新規感染者数」 として公表されているものは、「速報値」 としてのみ公表されるべきである。
       そしてそのことは、表題、ないし少なくとも註に明記されねばならない。
      2. PCR検査によって判明した新規感染者数は、その正確な数がはっきり確定してから、「確定値」 として発表されるべきである。
       現状では、この数値がきちんと公表されたものに、まずお目にかかることができない。
       その理由は、速報値にすぎないものが、あたかも確定値であるかの如くに扱われているからである。
       これはひどく間違っている。
      3. そして、2週間後ぐらいにようやく安定してきた数値が、ほぼはっきりと確定した数値なのだから、地方公共団体や政府だけでなく、
       マスコミも同様に、こちらを、このヴィールスに対する対策を考える場合に、基本の数値とみなすべきであり、
       また、国際的に日本の現状として公表する場合も、また後世に記録として残す場合も、こちらを基本の数値として扱うべきである。
      4. そのためには、まず、検査によって判明した人数を最終的に確定する作業が必要である。
       つまり、さみだれ的に日々追加されてくる情報が落ち着くのを待って (しかしこの過程をなるべく縮める努力をしてもらわないと困る)、
       これ以上数値が変化しないだろうと思われる時点で、これを 「確定値」として公表する義務がある。

  3 - d 陽性率表の二つの正反対の段階

    さて、以上で話が終ればよろしいのだが、陽性率表が記している日々の 「陽性者」 の人数には、もう一つ大きな問題がある。
    この表、2月15日の分からはじめられているのだが、2月15日~5月6日の部分は、上記と正反対、それも露骨に正反対の質のものである。
       この部分では、「陽性者数」 ()は、同じ東京都発表の 「新規感染者数」 () よりも目立って少ないのだ。

        註 「新規感染者数」 の表は、ごく最近から、「新規患者に関する報告件数の推移」と名称を変えた
              同じものの名前をしょっちゅう変えるのはよくない。見る者が、同じ表をさすと認識できなくなるではないか。
              つけられた名前というのは、どのみち、非常に正確に中身を表現している、などというものではありえない。
              その事柄の内容を舌足らずな略称として、短く、一つの 「呼び名」 をつけているだけなのだ。

          だから、ただの 「呼び名」 にすぎないものを、より正確な表現に変えようなどと、いろいろひねくり廻すのはよくない。
              下手にひねくり廻すと、かえって、わけがわからなくなる。
          呼び名というものは、しょせん、不完全な表現なので、正確な表現は本文の中で明示すればよろしい。
              呼び名に関して一番重要なことは、一度名前をつけたら、変えないことだ!
          さもないと、同じ事柄を指しているということが、わからなくなる。 (これ、文章書きの初歩)

   もどって、本当なら両者まったく同一でなければいけないはずの 「陽性率」表の 「陽性者」 数 () と、「新規感染者数」 () が
      5月7日を境に、それ以前 の方がよりも 圧倒的に少なくそれ以後 はきれいに逆転して の方が よりも圧倒的に少ない。
   不注意の結果、多少の相違が生じることは、ままあることだが、この場合は、それとは違う。
      ここには、あってはならない、何か奇妙な原因が存在している、と推測せざるをえない。
      何せ、本当ならぴったり同じでなければいけない数字が、時によって一方が、時によって他方が目立って多いのだ。
      それも、多少の違い、といった程度ではない。 ぐんと大きな差がついている。
   そしてそれも、5月7日を境に鮮明に逆転するというのだから、何とも奇妙なのである。
   少なくとも、この状態では、甲の数字も乙の数字も、信用する気にはなれないだろう。

   ともかくまず、公表されている数字をお目にかけよう。 非常に顕著なところだけ抜き出して御紹介する (5月末に記す)。

                        4月5日  6日  7日   8日   9日  (中略)  5月1日   2日   3日   4日   5日   6日
       甲の表(新規感染者)      141人   85人  87人  156人  183人         165人  156人   93人  87人   57人   37人
       乙の表(陽性率)           61人   79人  60人  125人   90人          18人    19人   32人   7人    9人   7人

   よくもまあ、同じサイトの同じページで、同一だるはずの人数について、ここまで大きな差のある数字を並べてくれたものよ。
   しかしこちらは、一応、東京都の担当者御自身がその理由をはっきりと説明してくれている。

      つまり、「陽性率」 の表の下に註をつけて、4月10日~5月6日については、健康安全研究センター (保健所直結の機関) の検査に加えて、
      「PCRセンター」 でなされた検査数を足したもの、と記されている。
      つまり、保健所の直接の支配下にはない「(一般の)医療機関での保険適用検査」
         (及び民間検査機関、大学、等々) の検査数は加えられていない
、というのだ。
      検査数からすれば、一般の医療機関等々での検査の方が、保健所直結の健安研センターよりも桁違いに多くの検査を行なっている。
      保健所+健安センターの検査数は、最初の段階からかなり限られており、以後もずっとほぼ同じ、ごく少数の検査しか行なっていないのだ。
      そして 「PCR センター」 と呼びうるような機関は、4月末からようやく少しずつ設置されはじめたので (その後徐々に増えてきたが)、
         この時点ではまだまだ非常に少なかった。
      他方、4月後半頃から、一般の医療機関や民間の検査機関、等が行なう PCR検査数は、飛躍的にぐんぐんと伸びていった。

   上記の 「横道、その1」 の項目で、簡単な比較の数字を並べておいたのを御覧いただくと、すぐにわかるが、
      5月後半になると、一般の医療機関等による検査総数は、保健所系の検査総数の、少なくとも10倍、
      たいていは15倍から 17~18 倍の検査を行なっているのである。

   従って、「陽性率」 を計算するのに、検査数のうちの圧倒的多数をしめる一般の医療機関等による検査数を除外して (まさかね!)、
      保健所系 (つまり厚労省系) のごく僅かの検査例だけに狭く限って、表にのせる数を算出したのだ!
   これが、5月7日以前の段階での、東京都発表の 「陽性率」 表の実態なのである。
   こんな、杜撰極まりない計算表が、何の役に立つのか!

   ただしそれは5月6日以前の話で、5月7日以後は、東京都発表の 「陽性率」 表はかなり信頼できる程度に確かである。
      ただしそれでも、上述のように、検査によって実際に確認された陽性者 (新規感染者)数は、この表の数値よりも何ほどか多かっただろう、
      と推測すべきである。

   まあね、5月6日以前の数値でも、何も発表していない他府県よりはだいぶましである。


 結論 (まとめ)  (一部、上述の 「提案」 と重複)

    その日、その日の感染者数については、国 (厚労省) のサイトではなく、各都道府県のサイトが提供するデータの方が信用できる。
         一つ一つ、それぞれの都道府県のサイトで確認されたし。
   2. 各道府県の提供するデータのグラフよりは、東京都のグラフの方が、さまざまな数値のグラフを提供している分だけ、わかり易い。
        かつ、個々のグラフに最小限の註がついている点でも、他府県のものより、ずっと信用できる。
   3. しかし、その東京都が提供する多数の表の中でも、ものによっていろいろある。
      感染者数については、陽性率グラフの 「陽性」 の部分が最も信用できる。
        と言っても、そこに提供されている数字は、かなりな部分 (時期) は信用し難いし、
        ほぼ信用できる部分も、細かくは一つ一つ比較検討してみないといけない。
   . その日その日の 「新規感染者数」 の表は、極端な速報値であって、その当日の分についても、まだ多くの感染者数が漏れていて、
         2、3日後には修正されて、かなりな数が加えられることが多いし、
         また、更に後日になっても、何度も数が修正 (追加) される。
      従って、正確な数値を知りたければ (と言っても、「ほぼ正確」 という程度だが)、
         最初の発表後少なくとも2週間以上たった後に、確かめ直さないといけない。
   5. 道府県のサイトで提供されているグラフは、あまりに簡単すぎて、また何の説明も、註もついていないことが多いから、
         以上のような緻密な検討の対象にはなりえない。
      従ってまた、そもそも、どの程度信用できるのか、できないのかも、わからない。
         もっとも、人口が少なく、また感染者数もかなり少ない県の場合は、対象となる検査数そのものが非常に少ないから、
         その分作業が楽なので、従って、相対的に信用度は上がるだろう。
   6. 全体として、この国の Covid-19 ヴィールスの感染データは、残念ながら、十分に正確であるとは言えないだろう。
      そうなったには、具体的な原因としては、最初の時期 において(1月末から5月はじめまで)、この種のことについて、
         あまりに保健所系 (= 厚労省管轄) のデータのみに頼りすぎていたことが主たる原因であろう。
      従って、民間 (国公立の大学等も含めて) の検査機関によってなされる PDF検査の実態が、
         統計データに十分に(ないし、ろくに) 反映されていない、という結果をもたらした。
      今や、 PCR 検査の圧倒的多数は、「民間」 の機関によってなされているにもかかわらず。
   7. しかし、根本的な原因は、全国的な動向をしっかり把握するための独立機関が存在していないことである。
        「機関」 と行っても、特別の建物ないし大きな部屋などは必要としない。
        ほんの数人の、誠実な担当者が集められ、この期間はこのことの専門家として集中的に働く、ということで十分だろう。
        そして各都道府県に、これに対応する (しかしこれと対等、平等の)小人数からなる (しかし優秀な)部署がが作られることが望ましい。
      しかしそのためには、国がしっかり本腰を入れて、最初の段階からそういう機関を設置する必要があったのだ。
         この種の全国的、全世界的に拡大する強力な感染症を相手にするには、しっかりした統計資料を確立することが何より大切である、
         という、 ごく初歩的だが、極めて重要な事実に、日本政府はまったく気がついてもいなかった (今でも気がついている気配はない)、
         ということが、致命傷であったのだ。
      もしも 「第2波」 が本当に来るとしたら、それまでにそういう機関がしっかりと設置されないといけないのだが、現状ではそれはとても望めまい。
         望めまいどころか、まったく気配もない。
   8. 日本は科学的、学問的に先進国と思い込んでいる日本人が非常に多いが、少なくとも新型コロナに対する対応を見る限り、
         とても先進国などとは言えない状態である。
      そしてそれは、残念ながらやはり、新型コロナへの対応に限らず、この国の科学的、学問的な基盤が大きくゆるぎはじめていることの
         はっきりした徴候の一つなのだ。
         何とかしないとけない。 しかし、今からでも遅くないと言えるか、いや、時すでに遅しか。


 付録 最近の数字  
   この原稿、書きはじめてから 1ヶ月近くかかってしまったので、サーヴィスとして、ごく最近のデータをお目にかけます。
   以上示したのと同じことの最近の幾日かの数字である (6月12日付の数字)。
   これをご覧になれば、今になっても、基本はちっとも変っていない、ということが、すぐにおわかりになるだろう。 すなわち、

      陽性率の表の 「陽性者」 と、速報値の 「新規感染者」 の人数は、相変らず、全然一致しない。
      そして、「陽性率」 の表の 「陽性者」 の方が、「新規感染者」 の表の人数よりも2割ぐらい多い。少し差が縮まったが。

                  6月5日   6日   7日   8日   9日   10日   11日   合計
  新規感染者 (速報値)    20人    26人  14人   13人   12人   18人    22人   125人
  陽性者 (陽性率の表)    15人    30人   0人   22人   23人   35人  27人   152人

       * 二日後 (6月14日) に修正されて、37人になった。 それ以外は、発表後に変更されていない。
   
       以前とだいぶ変ったのは、このように、発表後に修正される回数がかなり減ったことである。
          最初からなるべく正確な数値を提供しようと、努力なさるようになったのだろう。
       なお、「陽性率」 の表の 7日の人数が 0人なのは、この日が日曜日だったからである。 その分、左右の人数が増えている。

                                                                              以 上

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