原始キリスト教史の一断面

福音書文学の成立

新装版第1刷(実質初版第12刷) 、2006年9月5日発行、勁草書房、4000円
初版第1刷は1968年8月


 これ、若い時に書いた博士論文(Miracles et Evangile, la pensee personnelle de l'evangeliste Marc、1964、発行は1966年)の日本語版です。ただし、フランス語版からだいぶ削り、その代りに、2倍近く書き足しました。

 読者の方々に、比較的、評価をいただいている部分は、この書き足した部分です(「民衆」についてとか、「ガリラヤとエルサレム」とか)。従って、日本語版の方がずっと面白いはずです。

 日本ではじめて、いわゆる「編集史的方法」を用いて、福音書記者マルコの独自の思想を明らかにしようと努めたものです。

 1965年3月に日本に帰ってきて、ある大学の講師をしながら、日本語版を仕上げました。積み上げると全部で50センチを越す重たい手書きの原稿用紙を、風呂敷に包んで、勁草書房まで持って行ったのを、つい昨日のことのように覚えています。

 この本の表題、自分では「福音書文学の成立」にしようと思っていたのですが、担当の編集者に、それでは平凡だと言われて、いろいろ考えた末、それを副題にまわし、現在の表題に決めました。今から考えると、現在の表題にしておいてよかったと思っています。「……一断面」 というところが、ちょっと個性的というか。

 新装版について。 これはもともと活版印刷の書物ですが、さすがに活版印刷で刷り直してくれる印刷屋さんがもはや存在しないということで、 今回はそれを写真版にとって、オフセット印刷になります。 従って、普通の増刷よりは、やや高くつきますが、 それでも 「オンデマンド」 よりはだいぶましでしょうか。

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